
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)のアグリゲーター手数料は、収益の10%前後が多いとされます。ただし同じ10%でも、「売上」に掛けるか「運用益(売上−充電費など)」に掛けるかで、オーナーの手取りは変わります。
本記事では、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)のアグリゲーター手数料を、計算の基礎の違いから説明します。全体の仕組みは低圧の系統用蓄電池 総合ガイドにまとめています。
なぜアグリゲーターが必要なのですか?
需給調整市場の最低入札量が1MW(1,000kW)で、49.9kWは1基では入札できないためです。
同じエリアで21基以上、または他の設備と合わせて束ねて初めて入札できます。束ねと入札、計量、精算を担うのがアグリゲーター(特定卸供給事業者)で、届出のある事業者は172社(2026年9月時点)ですが、低圧の蓄電池を実際に受託しているのはその一部です。仕組みは低圧蓄電所が需給調整市場に入る仕組みをご覧ください。
手数料の相場はいくらですか?
収益の10%前後が多いとされます(解説ブック低圧編、2026年10月時点)。
料率だけでなく、何に料率を掛けるか、初期費用があるか、契約期間と解約条件はどうかで、実際の負担は変わります。
売上基準と運用益基準では何が違いますか?
売上基準は充電費を引く前の金額に、運用益基準は充電費などを引いた後の金額に料率を掛けます。
次の表は、出力49.9kW・単価5円・約定率90%の計算例の年間売上約393万円をもとに、仮に充電の電力費を100万円として10%の手数料を比べた例です。数字は説明のための仮定です。
売上基準
- 手数料=約393万円×10%=約39万円
- 手取り=約393万−100万−約39万=約254万円
運用益基準
- 運用益=約393万−100万=約293万円
- 手数料=約293万円×10%=約29万円
- 手取り=約293万−約29万=約264万円
充電費100万円は仮の値。保守・保険・税などは別途差し引く。
単価が低く、充電費の比重が大きいほど、基礎の違いによる差は相対的に大きくなります。自分の前提での売上は低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめられます。
手数料以外に契約で何を確かめますか?
初期費用、契約期間と解約、ペナルティの負担、入金時期、束ねの見込みを確かめます。
| 項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 初期費用 | EMSが運用システムと連携済みかで大きく変わることがある |
| 契約期間と解約 | 最低期間、自動更新、違約金。後から変えられるか |
| ペナルティの負担 | 応動が基準を満たさないときのペナルティ(落札価格の1.5倍)を誰が負うか |
| 入金の時期 | 運用月から入金まで数か月かかるのが一般的 |
| 束ねの見込み | そのエリアで1MWの束ねが成立しているか |
入札するコマの選び方や充電のタイミングはアグリゲーターが市場の動きを見て決めるため、運用方針の説明と、月ごとの約定実績の開示があるかも確かめておくと、手数料に見合う運用かを後から判断できます。
アグリゲーター契約は、設備の所有者が自分の名義で結ぶのが一般的です。条件は購入前に書面で確認します。手数料の基礎についてはアグリゲーター手数料の見方も参考になります。
まとめ
- アグリゲーター手数料は収益の10%前後が多いとされます。
- 売上基準か運用益基準かで、同じ料率でも手取りが変わります。
- 初期費用、解約条件、ペナルティ負担、入金時期、束ねの見込みも書面で確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月) 第4章・第6章
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。