
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)も、市街化調整区域では開発許可が要る場合があり、容量による下限もないため、用地選びでは「不可」と考えるのが基本です。
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)は小さな設備ですが、都市計画の扱いでは高圧と同じ通知の対象になります。本記事では区域ごとの考え方を整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
2025年4月の国交省通知では何が示されましたか
系統用蓄電池は、危険物を含む工作物として開発許可の対象になり得ると示されました。
国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月8日)の整理では、容量による下限はありません。そのため、49.9kW・200kWh前後の低圧蓄電所でも、規模が小さいことを理由に対象外とは言えません。造成をしなくても、開発許可が要る場合があります。
市街化調整区域で許可を取ることはできますか
許可基準を定めていない自治体が多く、実務上は見通しを立てにくいのが現状です。
解説ブック低圧編(2026年10月)では、市街化調整区域は不可と考えることを基本にしています。許可の見込みが立たないまま土地を押さえると、接続の申込みや機器の発注が進んだ後に計画が止まるおそれがあります。
どの区域なら検討しやすいのですか
非線引き区域と都市計画区域外には、この開発許可の制限がかかりません。
市街化調整区域
- 開発許可の対象になり得る
- 容量の下限はない
- 許可基準のない自治体が多い
非線引き区域・都市計画区域外
- この制限はかからない
- 農地・距離など他の条件を確認
市街化区域
- 用途地域と住宅との距離を確認
- 近隣への音の配慮が重くなる
国土交通省通知(2025年4月8日)と解説ブック低圧編(2026年10月)をもとに作成。最終判断は各自治体。
区域の違いは市街化調整区域と非線引き区域の違いで、通知の詳しい読み方は市街化調整区域に蓄電所は建てられるかで解説しています。
区域を確かめるときの順番はどうなりますか
都市計画の区分を最初に確かめ、その後に農地、住宅との距離、電柱と配電線の余裕を見ます。
- 自治体の都市計画図で、市街化調整区域・非線引き区域・都市計画区域外のどれかを確かめる
- 地目と現況で農地かどうか、青地かどうかを確かめる
- 50m以内に住宅や宿泊施設がないか、搬入路があるかを確かめる
- 近くに電柱があるか、連系の見込みがあるかを確かめる
区域で外れる土地を早く除くことが、検討の手間と費用を減らします。候補地が残ったら、売上の前提を低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめておくと、土地にかけられる費用の目安を考えやすくなります。
今後ルールが変わる可能性はありますか
開発許可の運用は自治体ごとに異なり、許可基準を新たに定める自治体が出てくる可能性があります。
案件を比べるときは、土地の都市計画の区分と地目が資料に書かれているか、区域の確認が誰の責任で行われたかを書面で確かめておくと安心です。
まとめ
- 2025年4月の国交省通知で、系統用蓄電池は容量の下限なく開発許可の対象になり得るとされた
- 低圧蓄電所でも市街化調整区域は不可と考えるのが基本
- 非線引き区域・都市計画区域外にはこの制限がかからないが、農地・距離・電柱の条件は別に確かめる
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 低圧編」(2026年10月)
- 国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月8日)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。