ものづくり補助金グリーン枠(GX枠)徹底解説!2024年に改訂決定

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ものづくり補助金グリーン枠は、環境への負荷を低減する事業者に対して最大4,000万円の補助金を提供する事業です。

今回の記事では、ものづくり補助金グリーン枠の詳細と申請に必要な情報を解説します。第17次公募以降、ものづくり補助金と併用できる助成制度も紹介しています。本記事を通じて補助金をうまく活用する方法を学び、効率的に企業の脱炭素化を進めましょう。

目次

ものづくり補助金のグリーン枠概要と活用方法

ものづくり補助金グリーン枠の概要や通常枠との違い、具体的な活用事例を確認しましょう。

グリーン枠の目的と対象分野

ものづくり補助金のグリーン枠は、温室効果ガス排出の削減に役立つ革新的な製品やサービスの開発、または炭素生産性の向上を図る生産過程やサービス提供方法の改善を支援するための制度です。炭素生産性とはCO2排出量あたりの実質国内総生産を示す指標で、値が大きいほど少ないCO2排出量でより多くの価値を生み出していることを意味します。

参照:脱炭素の現状と課題(3) 低迷する日本の「炭素生産性」 – 日本経済新聞

グリーン枠では省エネ性能が高い製品開発や非石油由来の素材の使用、廃棄物の削減など、環境に優しい取り組みに注目しています。炭素排出量を直接削減する設備投資や生産工程の脱炭素化に寄与する取り組みは特に重視されています。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) p.12~13, 16~17

通常枠とグリーン枠の違い

通常枠とグリーン枠の違いは、対象となる事業の内容と焦点にあります。通常枠は革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの改善などさまざまな活動を支援する事業です。一方で、グリーン枠は環境保護を目的とし、温室効果ガスの排出削減や炭素生産性の向上に特化した事業に焦点を当てています。

通常枠は多岐にわたる事業を支援するのに対し、グリーン枠は環境への貢献度が高い事業に対してより大きな支援が行われる傾向があるのです。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) p.14, 16~17

申請要件と対象事業者

グリーン枠の申請する事業者は、温室効果ガスの排出削減に貢献できる製品やサービス開発、生産工程の改善に取り組む必要があります。例えば、エネルギー効率の高い製品の開発や非石油素材の使用、廃棄物削減への取り組みなどです。

事業計画で定めた期間内に、炭素生産性を年率1%以上向上させることも求められます。環境保護に積極的に貢献しようとする中小企業や個人事業主や、環境への影響を考慮した事業展開を計画している事業者を対象とし、資金面での支援を行います。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) p.12~13, 16~17

グリーン枠での具体的な活用事例

朝日印刷株式会社は環境負荷の低い生産体制の構築を目指して、多品種の小ロット生産への挑戦を始めました。小ロット生産とは限られた印刷枚数での生産を指し、材料の消費量と廃棄物の発生を削減できる利点があります。

取り組みを通じて、多様な顧客のニーズに柔軟に対応し、首都圏市場への進出を計画しています。ものづくり補助金のグリーン枠に採択されたのは、環境への配慮を踏まえた独自の事業展開が評価されたためです。朝日印刷は小ロット生産を通じて、環境保護と事業効率化の両立を目指しています。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 第15次締切 採択案件一覧 p.4

ものづくり補助金グリーン枠の申請方法と審査ポイント

補助金の申請に関する情報を解説します。具体的には、以下の項目です。

  • 必要書類と提出期間
  • 申請手順と審査プロセス
  • 採択されるためのポイントと事例

必要書類と提出期間

ものづくり補助額グリーン枠の提出に必要な書類は、以下のとおりです。書類は、ホームページからダウンロードできます。

提出書類概要
事業計画書最大10ページ補助事業の具体的な取り組み内容、将来展望、付加価値額の算出根拠を含むWordで作成しPDFに変換して提出
補助経費に関する誓約書【様式1】を使用電子ファイルとして提出
賃金引上げ計画の誓約書【様式2】を使用直近の最低賃金と給与支給総額、賃金引上げ計画を明記して提出
決算書等直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書など設立2年未満は1期分、設立直後は事業計画書と収支予算書を提出
従業員数の確認資料法人は法人事業概況説明書、個人事業主は所得税申告書を提出
労働者名簿応募申請時の従業員数と期末従業員数が異なる場合に提出従業員情報を詳細に記載
再生事業者証明書再生事業者のみ提出再生事業者の定義に関する資料を参照
炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況【様式3】を使用3~5年の具体的な計画と過去の取り組みを記載して提出
大幅な賃上げ計画書【様式4】を使用大幅な賃上げを行う事業者のみ、3~5年の具体的な計画と過去の取り組みを記載して提出
加点審査用追加書類加点を希望する場合に必要な書類を提出

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) p.29~32

第16次公募における提出期間は、令和5年7月28日17時から令和5年11月7日17時まででした。第15次公募は4月19日から7月28日までだったため、おおよそ3か月が提出期間だと言えるでしょう。

参照:

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (16次締切分) p.2

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 (15次締切分) p.2

申請手順と審査プロセス

ものづくり補助金グリーン枠の申請手順は、以下のとおりです。交付申請からはJ-Grantsを利用して手続きを行います。

  1. 公募
  2. GビズIDの取得・電子申請システムへのログイン
  3. 事業計画書の入力・送信
  4. 補助金交付の採択通知
  5. 交付申請
  6. 補助事業の実施
  7. 中間検査
  8. 補助事業の実績報告
  9. 交付額の確定検査
  10. 補助金の請求
  11. 補助金の支払い
  12. 事業化状況報告・知的財産権等報告

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分) p.7, 16

申請書類は、事業実施事務局 (全国中小企業団体中央会、都道府県中小企業団体中央会)により審査されます。事業者としての適格性や技術・事業化面、政策面から、補助金の交付にふさわしいかどうかを判断します。グリーン枠の場合、炭素生産性向上の取り組みも重要です。

採択されるためのポイントと事例

採択を目指すには補助対象事業としての適格性を確保し、3~5年間で付加価値額の年率平均3%以上の増加を目指すことが必要です。技術面では新製品・サービスの革新的な開発、試作品の開発過程での課題の明確化、解決策の妥当性、技術的能力が求められます。

事業化面では事業の遂行能力と市場ニーズの理解、事業化への実現可能性、費用対効果の高さが重要です。政策面では地域経済への貢献に加え、ニッチ市場での独自性、連携による生産性向上などが評価されます。

グリーン枠では、炭素生産性向上に向けた具体的な計画とその実行可能性が重視されます。例えば、低炭素技術を用いた製品開発やエネルギー消費削減に貢献する取り組みなどです。

ものづくり補助金グリーン枠の効果とエネルギー削減方法

ものづくり補助金のグリーン枠を活用することで、どのような効果を得られるのでしょうか。補助金の活用により、期待できる効果や具体的な削減方法を理解しましょう。

グリーン枠で期待できる効果とは?

ものづくり補助金のグリーン枠を活用することで、温室効果ガス排出の削減や環境への影響を軽減する革新的な製品やサービスの開発が促進されます。炭素生産性の向上を目指す生産工程の改善や省エネ技術の導入にも注力しているため、CO2排出量やエネルギーコスト削減効果も期待できるでしょう。

企業は補助金を通じて環境に配慮した事業運営を実現し、長い目で見て持続可能な成長を目指せます。結果として、エネルギー効率の改善や資源の節約、廃棄物削減など、環境によい影響を与えることが期待されています。

省エネや環境負荷削減の具体的手法

省エネや環境への負荷をを減らすためには、以下のような方法が挙げられます。

  • 生産設備のエネルギー効率を高められる技術の導入
  • 製造過程の最適化によるエネルギー消費の削減
  • 化石燃料を利用していない素材使用による環境への負荷低減
  • 再生可能エネルギーへの移行
  • CO2排出量が少ない製品開発

上記のいずれかを達成するには、高額な設備投資が必要です。ものづくり補助金グリーン枠を活用して設備更新を行うことで、省エネや環境負荷の削減に取り組みましょう。

自社のエネルギー削減計画の策定方法

自社のエネルギー削減計画を策定する際には、現状のエネルギー使用状況の詳細な分析が必要です。種類別でエネルギー使用量を月次整理したり、CO2排出量を把握したりなどが含まれます。炭素生産性を向上させるための具体的な目標設定も重要です。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用、廃棄物削減などを考慮しましょう。

事業計画には実現可能な目標やスケジュール、必要な投資、期待される効果の定量化を含む必要があります。自社においてCO2排出量の多いエネルギー・活動を把握した後、具体的な削減計画を考えるとよいでしょう。

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分) p.16

他の補助金との併用や関連制度の解説

ものづくり補助金は、原則として他の補助金との併用が認められていません。しかし、第17次公募からは厚生労働省の産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)を併用できるようになりました。

ものづくり補助金と他の補助

ものづくり補助金と併用可能な「産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)」は、景気や産業の変化により事業活動が縮小した事業者の人材確保を支援する事業です。ものづくり補助金の採択・交付決定が決定されており、一定期間の生産量や売上高が減少していることが適用条件となります。詳細は、こちらのPDFから確認できます。

よくある質問

ものづくり補助金グリーン枠に関するよくある質問に回答します。

ものづくり補助金のグリーン枠の採択率は?

第15次ものづくり補助金の申請者数は155名、採択者は62名でした。採択率の計算は「採択者数÷申請者数×100」で可能なため「62÷155×100」から40%だとわかります。

参照:採択結果|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

グリーン枠とは何ですか?

ものづくり補助金のグリーン枠は、温室効果ガスの排出削減に貢献する革新的な製品やサービスの開発、および炭素生産性の向上を図る生産プロセスの改善を目的としています。従業員数に応じて100万円から4,000万円までの補助金が提供され、補助率は3分の2です。

ものづくり補助金の新特別枠とは?

ものづくり補助金の新特別枠は、第6次から第9次までの公募期間において設けられていたものです。新型コロナウイルスにより業績が落ちた事業者を優先的かつ通常よりも高い補助率(3分の2)を適用し、支援を行っていました。

参照:令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領 〔一般型(新特別枠含む)・グローバル展開型〕 (6次締切分) p.2

まとめ

ものづくり補助金グリーン枠を活用すれば、企業の脱炭素化に係る初期費用を最大4,000万抑えられます。採択のために重要なポイントは、以下の5つです。

  • 事業者としての適格性:基本要件を満たすかどうか
  • 技術面:新製品・サービスの開発、それを実現させる能力があるかどうか
  • 事業化面:事業の遂行能力があるか、対費用効果の高いかどうか
  • 政策面:独自性や地域経済に貢献しているかどうか
  • 炭素生産性:炭素削減に向けた取り組み効果が具体的で、根拠のあるものかどうか

上記のポイントを踏まえ、ものづくり補助金グリーン枠での採択を目指しましょう。

ものづくり補助金グリーン 枠に関する重要用語

項目説明
ものづくり補助金中小企業・小規模事業者等が行う革新的サービス開発や試作品開発、生産工程の改善に必要な設備投資に交付される補助金。
炭素生産性CO2排出量あたりの実質国内総生産を示す。値が大きいほど、低炭素型の経済活動だと言える。
事業実施事務局 書類の審査を行う組織のこと。具体的には全国中小企業団体中央会と都道府県中小企業団体中央会を指す。

著者のプロフィール

川田 幸寛
小学校教員として、カーボンニュートラルや脱炭素に関する授業を行った経験がある。子どもたちが理解できるように、専門用語を分かりやすく、かみ砕いて説明することを心がけた。この経験を活かし、脱炭素化の重要性を広く伝えるために、誰にとっても理解しやすい記事を作成している。

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総編集長
福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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