2050年にCO2排出0を実現するカーボンニュートラルへの道のりは、極めて険しいものであり、成り行きの活動では、絶対に到達することはできません。

そこで大切になってくるのが、着地点を見据えたロードマップを描くことです。本記事では、脱炭素経営におけるロードマップの作成と、着地点をイメージする事の重要性を、わかりやすく解説していきます。

脱炭素のロードマップを作る必要性

脱炭素に向けた取り組みは、未来に向けた活動ですが、どうしても目先のことに集中してしまいます。特に省エネ活動などは、着手後すぐは成果が見えやすく、その結果で一喜一憂しがちです。

しかし、そのような日々の小さな活動に埋没すると、大きな決断を先延ばしにしたり、未来に向けた種まきに意識が向きづらくなります。

そこで、2050年のCO2排出0という着地点から逆算した、自社の脱炭素経営におけるロードマップを作ることで「いつまでに何をして、何を達成しておかなければならないか?」がはっきりします。そうすることで、今本当に取り組まなければならない活動に、意識を向けることができます。

ロードマップなし取り組みを進めるリスク

もし、ロードマップを作らずに、脱炭素経営に取り組んだ場合、以下のような失敗をするリスクが高まります

・小さな省エネやリサイクルに満足してしまい、全体感を見失う
・重要なことと、些細な事の見分けがつかなくなる
・手つかずの課題があっても気づかない
・大きな決断を先延ばしにしてしまう
・結果として2050年のCO2排出量100%削減に間に合わない

日々の事業活動に追われていると、未来への取り組みが疎かになりがちです。脱炭素経営におけるロードマップは、未来に向けて今すべきことを示してくれる、重要なツールとなるのです。

国や自治体も進めているロードマップ作り

国や自治体も、脱炭素の取り組みを行う上でロードマップを作成しています。国は、地域脱炭素ロードマップというものを作成し、主に2030年までに集中して行う、地域の脱炭素への行程や具体策を示しています。

全国の各自治体も、個別に自らの脱炭素化に向けたロードマップを作成し、2030年までに行う取り組みについて明確にし、一般に公開をしています。

2030年と2050年の着地点をイメージする

ロードマップ作りにおいて重要なことは、「着地点」を明確にしておくことです。

着地点に到達するためには、いつ何をすれば良いのかを逆算して考えることで、自社が取り組むべき活動が明確化されたロードマップが作られていきます。

日本では、2030年にCO2排出量を2013年比で46%削減、2050年に排出量実質0のカーボンニュートラルを実現することを公言しており、実現するには、社会は大きな変化を受け入れていかなければいけません。

「2030年と2050年の経済や事業を取り巻く環境は、どうなっているのか?」「それにあわせて自社はどうなっているべきなのか?」企業の着地点をしっかりイメージして、脱炭素経営に取り組むかどうかで、その結果には大きな違いが生じてくるのです。

まとめ

ここまで、脱炭素経営におけるロードマップの作成と、着地点をイメージする事の重要性を紹介してきました。

ロードマップがなければ、せっかくの脱炭素経営も、目先の活動に埋没し、成り行きの活動になってしまうことで、必ずどこかでいきづまります。

そうならないためにも、今から2050年にむけたロードマップを作り、これからの活動を明確化していきましょう。

著者のプロフィール

福元 惇二
福元 惇二
タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。