何から始めるべき?今からできる企業向け節電対策5選【企業の成功事例付き】

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節電はCO2排出量の削減にもつながるため、今まで以上に重要視されるようになりました。

しかし

節電対策を取り入れたいけど、一体何から手をつけたらいいの?

と悩んでいる企業の方は多いのではないでしょうか。

また、実際にはどのような節電対策があるのか、どれが効果的なのかを知るためには、多くの情報を漁る必要があります。

そこで、この記事では、省エネ診断による提案事例を基に、今からできる節電対策を5つ紹介します。
さらに、5つの節電対策によって、どのくらいのコスト削減が期待できるのかも解説しています。

ぜひ節電対策の参考にしてください。

目次

結論:LED照明への切り替えから始めるべき

企業が行うべき最初の節電対策は、LED照明への切り替えです。

蛍光灯と比較すると、LEDは約50%もの節電効果があります。
さらに、一般的な電球と比較した場合、LEDはなんと約86%の節電効果が期待できます。

さらに、LEDは寿命が非常に長いです。
そのため、蛍光灯や一般電球よりも取り換えの頻度が少なくなります。

つまり、電気代を抑えるだけではなく、交換用の照明を購入する費用まで抑えることができるのです。

今からできる節電5選

ここからは、今からできる節電方法を5つ紹介します。

  • LED照明への切り替え
  • エアコンの温度設定見直し
  • OA機器のスリープモード活用
  • 人感センサーの設置
  • 定期的な清掃や点検

それぞれ順番に解説していきます。

LED照明への切り替え

まずは、LED照明を取り入れましょう。
驚くほどの節電効果があります。

現在、多くの企業が使用しているのは一般電球です。
これは、ガラスの球形に線上のフィラメントが入った伝統的な照明です。

LED照明に交換するだけで、約86%もの省エネが期待できます。

環境省のデータによると、一般電球が108kWh消費するのに対して、LED照明はわずか15kWhで済むのです。
なお、kWh(キロワット時)は、1kWの電力を1時間使用した際の消費エネルギーを意味します。

消費電力の差は、電気代にも大きく影響します。

例を挙げると、一般電球を2000時間使った場合、電気代は3348円かかります。
しかし、LEDを使用すれば465円で同じ明るさを得られます。
この大きな違いは、LED照明の高い効率と長寿命によるものです。

一般電球の寿命は、約1000時間だと言われています。
一方、LED照明の寿命は、なんと40000時間です。
一般電球と比較すると、40倍もの長さです。

そのため、LED照明を導入すれば、電球の交換回数やそれにかかるコストを大幅に削減できます。

そして、LED技術はシーリングライトにも応用されています。
シーリングライトとは、天井に直接取り付ける照明のことです。

このライトも、旧来の蛍光灯モデルを使用している企業が多いため、LEDのものに取り換えるだけで大きな節電効果が期待できます。

具体的には、蛍光灯が136kWh消費するのに対して、LEDは68kWhです。
具体的な電気代で考えてみましょう。
蛍光灯を2000時間使用すると電気代は4216円かかりますが、LEDなら2108円と、ほぼ半額に抑えることが可能です。

参照:LED照明への買換え効果|省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」

エアコンの温度設定見直し

エアコンの温度設定を見直すことは、企業がすぐに取り組むことができる簡単な節電対策の一つです。

エアコンは、ビルやオフィス内の電気使用量の中で大きな部分を占めています。
そのため、温度設定を微調整するだけで、大きな節電効果が期待できるのです。

たとえば、夏場にエアコンの設定温度を低くするとエネルギーを多く消費します。
そのエネルギー使用量を削減するためには、温度設定を1度や2度上げるだけでいいのです。

冬場も同様に、暖房の設定温度を1度や2度下げるだけで節電対策になります。
1度や2度のわずかな温度設定の見直しが、毎月の電気代を削減してくれるのです。

また、エアコンの使用温度を適切に保つことは、快適さや健康にもいい影響をもたらします。
たとえば、夏場にエアコンを20度に設定していたとしましょう。
そして、お昼過ぎに外勤で外に出たとします。この時、外の気温は35度です。室内と屋外で15度も温度差があります。

この急激な温度差は、体調を崩す原因となるかもしれません。

そのため、節電と健康の両面から、エアコンの適切な温度設定の見直しは大切なのです。

OA機器のスリープモード活用

企業内で日常的に使用されるOA機器は、実は節電の大きなカギを握っています。
OA機器とは、「オフィスオートメーション機器」の略で、オフィスでの業務を効率化・自動化するための機器を指します。

具体的には、パソコン、プリンター、コピー機、FAX機、スキャナーなどが含まれます。

これらのOA機器に搭載されている「スリープモード」を活用することで、電気の消費を大幅に削減できます。

スリープモードは、機器の動作をほぼ停止させながらも、すぐに起動できる状態を保持する機能です。
つまり、使用していない時間はスリープモードにすることで、無駄な電力消費を大きく抑えることができるのです。

現代のオフィスでは、短い休憩や打ち合わせの時間でもPCや機器が動作し続けることが多いです。
それをスリープモードに移行しましょう。

特に、新しいOA機器の中には、一定時間操作がないと自動でスリープモードに移行するものも増えてきています。
そのため、OA機器を新しく購入する際には、スリープモード機能を持った省エネ型を選びましょう。

人感センサーの設置

人感センサーの設置は、企業が手軽に始められる節電対策の一つです。
人感センサーとは、人の動きや存在を感知するセンサーのことを指します。

人感センサーがあると、人がいる時だけ照明やエアコンを作動させ、部屋に誰もいなくなったら自動でオフにすることができます。

また、人感センサーの設置は比較的簡単であり、導入コストもそれほど高くありません。
費用も安く、設置することで無駄な電力消費を削減できるため、おすすめの節電対策です。

しかし、人感センサーをどこに設置すればいいのでしょうか?

そこで、人感センサーの設置が可能な場所を下記にまとめましたのでご覧ください。

場所理由
会議室使用されない時間が多いため
トイレ・洗面所短時間しか使用されないため
通路・廊下・階段人の通行が不定期であり、常に照明をつけておく必要がないため
倉庫・保管室ひんぱんには使用しないため
休憩室・食堂使用頻度に大きな差があるため
受付・ロビー人の出入りが少ない時間帯は電源をオフにできるため
駐車場車の出入りに合わせて照明をコントロールできるため
コピー室・プリンタールーム常に使用する設備ではないため
ゴミ捨て場常時点灯は必要ないため両手がゴミ袋でふさがっていても照明をつけられるため

定期的な清掃や点検

定期的な清掃や点検も節電対策として重要です。

機器は汚れていると効率的な運転ができなくなり、必要以上にエネルギーを消費してしまいます。
つまり、エアコンのフィルターの汚れを取り除くだけで、エネルギーの消費を抑えられるのです。

さらに、定期的に点検をすることで、機器の故障や劣化を早期に見つけられます。
この時点で修理やメンテナンスを適切に行えば、最小限のコストで使用し続けることが可能です。

一方、点検を怠り、完全に故障してしまったら、新しく買い替えなければなりません。
これには多額の費用がかかってしまいます。

節電対策に成功した企業事例4選

ここからは、節電対策に成功した企業様4選についてご紹介していきます。

  • 共立速記印刷株式会社
  • 富山医療福祉専門学校
  • サンエー電機株式会社武生工場
  • 有限会社グランドホテル水天閣「夕景湖畔すいてんかく」

それぞれ順番に解説していきます。

共立速記印刷株式会社

共立速記印刷株式会社は、速記・印刷業界で事業を展開している会社で、一般事務所ビルを所有しています。
このビルは地上9階、地下1階から成り立っており、合計で50名の従業員が働いています。
延床面積は、694平方メートルです。

このビルの照明には、蛍光灯が使用されていました。
そこで、照明設備の効率化のため、2階から9階の執務室にある141基の蛍光灯(合計電気容量7.7kW)をLED照明に更新する提案がなされました。

この更新を行うことで、年間での電力使用量は4.1kL節減されると試算されました。
また、電気代に関しては、年間で275,000円のコスト削減が期待されます。

LED照明への更新には、1,956,000円の設備投資が必要となりますが、この投資は7.1年で回収できる計算でした。

参照:経営改善につながる省エネ事例集 2021年度 p.9

富山医療福祉専門学校

富山医療福祉専門学校は、毎日約300人の利用者がいる医療福祉系の専門学校です。
ここでは、OA機器として、59台のデスクトップ型PCおよびモニター、そして13台のインクジェットプリンタが使用されています。

これらの機器は、通常、シャットダウンしても微量ながら待機電力を消費し続けています。
そのため、スイッチ付きテーブルタップを利用して、夜間や休日に電源を完全に断ち切ることで、待機電力の無駄を削減する提案がなされました。

この取り組みにより、年間で0.3kLの省エネ効果が見込まれ、年間の節電効果は36,000円に上ると試算されました。

参照:経営改善につながる省エネ事例集 2021年度 p.14

サンエー電機株式会社武生工場

サンエー電機株式会社武生工場は、精密分析機器の製造を手がける企業で、従業員数は160名です。
省エネ診断の結果、空調設定温度の見直しが提案されました。

具体的には、各建物に設置された空調の設定温度を冷房は1℃上げ、暖房は1℃下げることです。

この温度設定の見直しにより、工場全体で年間2.9kLのエネルギー削減が見込まれました。

また、削減できる電気代は年間279,000円と試算されました。
参照:経営改善につながる省エネ事例集 2021年度 p.16

有限会社グランドホテル水天閣「夕景湖畔すいてんかく」

有限会社グランドホテル水天閣「夕景湖畔すいてんかく」は、リゾート・温泉ホテルとして、一日に約150名が利用しています。
このホテルでは、空調のフィルターが年に2回清掃されています。

しかし、一般のオフィスよりもほこりが発生しやすいことから、清掃頻度を年4回に増やすことを省エネ診断により提案されました。

フィルターの清掃を年4回にすることで、年間で0.7kLのエネルギー削減に加え、経済的にも年間59,000円の節約が期待されます。

参照:経営改善につながる省エネ事例集 2021年度 p.18

節電することにより、得られるメリット

ここからは、節電することにより、どんなメリットを得ることができるのか?について解説していきます。
主なメリットに関しては、下記2つになります。

  • コスト削減
  • 社会的評価の向上

それぞれ解説していきます。

コスト削減

節電が企業にもたらす最大のメリットは、コスト削減です。
企業ではさまざななコストがかかりますが、その中でも電気代は大きな割合を占めていると考えられます。

そこで、節電対策に取り組むことで、そのコストを大幅に削減できます。

特に、照明や空調の節電対策はコスト削減の効果が大きいです。

実際、空調はオフィスの電気代を約3~5占め、照明も約2~3割を占めています。

これらの消費電力を抑えることにより、企業は大きな経費削減を実現できるのです。

参照:夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)
参照:冬季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)

社会的評価の向上

また、節電対策を通して、企業の社会的評価の向上が期待できます。

これは、節電に取り組むことが環境保護につながるからです。
電気を使用すると、地球温暖化の原因である二酸化炭素が排出されます。

そのため、使用する電気を減らせば、二酸化炭素の排出も減らせるのです。

つまり、企業が節電に積極的に取り組むことで、外部に対して環境に配慮する姿勢をアピールできます。
その結果、企業のイメージ向上や社会的評価の向上につながります。

このように、節電は単に電気代の削減だけでなく、環境補剛や社会的信用の確立にもつながる重要な取り組みです。
地球温暖化や気候変動の影響が深刻化する中で、企業が節電や省エネに取り組むことは、私たちの生活を守るためにも欠かせないと言えるでしょう。

まとめ

企業の節電対策は、思っているよりも難しくありません。

  • LED照明への切り替え
  • エアコンの温度設定見直し
  • OA機器のスリープモード活用
  • 人感センサーの設置
  • 定期的な清掃や点検

どれも今日から行えるものばかりですが、その効果は絶大です。
コスト削減はもちろん、環境への貢献により社会的評価の向上にもつながります。特に、環境への貢献は重要視されています。

かんたんにできる環境保護の1つに二酸化炭素排出量の算定があります。
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福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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