再生可能エネルギー世界ランキング・国別【最新版】

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世界の再生可能エネルギー市場は、ここ数年で目覚ましく成長してきています。EIA(米エネルギー省)の報告によると、2023年6月時点で107GWのエネルギー容量の増加、トータルで440GWと最高記録を更新したとのことです。これまでになく、再生可能エネルギーの普及拡大が進む背景には、不安定な化石燃料の供給や悪化する気候変動・異常気象を懸念する国の支援策があったようです。

日本でも、脱炭素を後押しする補助金や税制優遇が相次ぎ、再生可能エネルギーへの関心度も高まってきています。そこで、日本では再生可能エネルギーがどれくらい進んでいるのか、再生可能エネルギーでトップを行くのはどの国なのか、ちょっとこの機会に調べてみたいと思います。

今回は、日本の現状にも触れながら、再生可能エネルギーの世界ランキングをご紹介していきます。ぜひ、最後までお付き合い下さい。

目次

再生可能エネルギー世界ランキング トップ10【2023年最新版】

https://pixabay.com/photos/solar-solar-power-solar-panels-2796474/

世界で消費される電力の大半は石油・ガス・石炭による火力発電です。パリ協定から7年近く経った今、2050年のカーボンニュートラルを目指して、世界は再生可能エネルギーへと舵をとっています。

依然として、化石燃料が電力で占める比率は高いものの、ここ数年は急速に再エネ電力の比率が向上しています。再生可能エネルギーで世界をリードする国の顔ぶれも若干変わってきているようです。

どの国が再生可能エネルギーでリードしているのでしょうか。これから、世界の再生可能エネルギーランキングを国別でご紹介いたします。データはIREA(International Renewable Energy Agency/国際再生エネルギー機関)の情報を参考にしました。対象となる再生可能エネルギーは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスです。

再生可能エネルギー 国別ランキング
出典:Country Ranking / Renewable energy power capacity – IRENA
  1. 1位:中国(1,206TW)
  2. 2位:米国(370GW)
  3. 3位:ブラジル(175GW)
  4. 4位:インド(167GW)
  5. 5位:ドイツ(153GW)
  6. 6位:日本(139GW)
  7. 7位:カナダ(105GW)
  8. 8位:スペイン(71GW)
  9. 9位:フランス(67GW)
  10. 10位:イタリア(63GW)

2022年度の再生可能エネルギー容量の統計では、圧倒的な数値でトップを走るのが中国です。中国は総エネルギー量1,206TW(テラワット/ギガワット×1000倍)で、2位米国の370GWの3倍以上の規模となります。続けて3位ブラジル、4位インドと地理的に太陽光に有利で人口が多い国がランクインしています。

5位は太陽光発電では先導的な存在であるドイツ、日本も6位と小さな国ながらもトップ10内に収まっています。7位カナダ、続いてスペイン、フランス、イタリアとEU圏の国が目立ちます。EU全体でみれば、EUは米国を抜いて2位にランクインします。

参照:IRENAの概要 – 外務省

参照:Country Ranking / Renewable energy power capacity – IRENA

関連記事はこちらから:カーボンニュートラル宣言とは

それでは、1位~5位までの国を取り上げて、どのような再生可能エネルギー政策、プロジェクトがあるのか見ていきましょう。

1位:中国

TWクラスのエネルギー総量からもわかるように、中国は世界で最も再生可能エネルギーに力を入れている国です。米国、欧州、日本とは比較できないほどのスケールで導入を進めています。2006年に「再生可能エネルギー法」が設立されて以来、5年おきに「エネルギー発展5か年計画」を立ち上げ、半ば強制的に再エネ導入を義務づけてきました。2009年には、それまで再エネを先導していた米国・欧州を追い抜きトップの座につきます。

山峡水力発電慮(世界最大級1TW)

中国の再エネ設備を代表するのが三峡水力発電(三峡ダム)です。2012年に34基の水力タービンが統合された同発電所は、17年には累計発電量が1TWを超え、その巨大な発電規模で世界ナンバーワンを誇ります。石炭火力発電所のCO2排出量13億2,000トンを相殺したに等しく、中国の脱炭素に貢献しています。

2011年~2015年にかけては、良好な立地条件をもつ中国西部での太陽光開発が進み、とくに2016年以降には世界最大級の太陽光発電が相次いで建設されています。

中国寧夏発電所(世界最大級1GW)

2022年には、消費電力の約30.8%の再エネ比を実現、2050年には、約50%の消費電力が再エネで賄えるとの見込みです。ただし、ここで留意しておきたいのが中国は再エネで世界トップに位置するだけでなく、CO2排出量においても超越的に高い数値で世界1位です。同国政府は「CO2排出量を2030年までに、まず減少へと転換する」ことを目標としています。カーボンニュートラルのゴールも、多くの国が2050年に設定いるのに対し、2060年と10年の余裕を持たせています。

参照:世界最大の再生可能エネルギー市場・設備製造国 – JETRO

参照:再生可能エネルギー導入政策・動向 – 電気事業連合会

2位:米国

さて、2位を行く米国でも着々と巨額の政府支援金とともに、再生可能エネルギーの導入が進められています。前トランプ大統領は再エネ対策についてやや否定的だったものの、2021年1月に就任したバイデン大統領は、積極的な政策にて再エネの普及拡大に努めています。前トランプ大統領が脱退した「パリ協定」への復帰を表明し、インフラ投資雇用法(IIJA)を立ち上げ、5年間で約5,500億ドル(約77兆円)を再エネ関連のインフラに投じる予定です。

カリフォルニア州太陽光発電プロジェクト

テキサス州やカリフォルニア州では、砂漠を利用した、広大な規模のメガソーラー、ギガソーラーが続々と登場しています。米国の強みは、国の政策に関わらず、時価総額世界トップクラスの超大手企業が多いことや、テクノロジー系のベンチャーが多いことです。相応に、米国内で導入される再エネ設備も巨大で、かつバラエティに富んでいます。

バイデン政権は、2035年度には45%のCO2削減、2050年にはネットゼロを目指しています。ただ、米国の場合は、石油・ガスと化石燃料の輸出産業が、米経済を占める比率が高いことに注目です。すでにご存じの方も多いように、行き過ぎた再エネ政策から石油・ガス関連企業の協力が得られず、エネルギー高・インフレを長引かせる結果ともなっているのです。

参照:再エネ推進を追い風に導入加速 – JETRO

3位:ブラジル

次にチェックしておきたいのが、3位のブラジルです。ブラジルはアマゾン川やイグアス滝といった豊富な水資源を有しています。水力発電を含めた再生可能エネルギーの発電率は電力全体の45%にも及ぶのです。総発電力に対する再エネ比率の高さではG20ではトップです。

世界2位の規模 イタイブ水力発電

再エネの設備容量で1位にランクイン中国でも約30%、2位の米国は20%、欧州23か国で約22%程度にとどまります。ちなみに日本の場合は22%です。電源構成比は、水力が68.8%と最も高く、次に風力9.5%、バイオマス9.5%となり、原子力や化石燃料への依存が非常に低いことが特徴です。

1973年に訪れた石油危機をきっかけに、同国では脱化石燃料を実現するために、早くからバイオマス、再エネの開発に力を入れてきました。ブラジルで最大のイタイブ水力発電は、発電規模において世界2位を誇ります。2022年5月には、15GW設備へのアップグレードを目的に米ジェネラル・エレクトリック社と契約しています。

参照:ブラジルのエネルギー政策 – 関西電力

4位:インド

そして、ここ数年において再生可能エネルギーで飛躍的に成長しているのが4位のインドです。2023年の3月時点における、インドの発電量は33年ぶりの高記録となりました。景気回復から電力需要が急増し、石炭火力の発電量が12.4%増加していますが、同時に太陽光発電が20.1%も増加していることが注目されています。

インド・ムンバイの発電工事

インドは中国の次に人口が多い国です。2023年度には14億人を超え、やがて1位の中国を抜くだろうといわれています。世界最多の人口を抱えるインドの電力は、70%以上を石炭に依存しています。安価でかつ安定した電力を14億人のために確保する必要があるからです。インド政府は、正面きって「簡単に再エネへシフトすることはできない。しばらくは石炭も使い続ける」と断言しています。

そんなインドで開発が進んでいるのが、同国の灼熱地帯を利用した太陽光発電です。2021年には8.2GWスケールの大規模太陽光発電プロジェクトがラジャスタン州で立ち上げられました。また、グジャラート州モデラ村では「太陽光発電100%の村」が政府の支援を得て登場しています。これからのインドの再エネへの活躍が期待されています。

参照:インドのモデラ村が太陽光発電で電力の完全なる自給自足 – 東京報道新聞

5位:ドイツ

最後に、5位にランクインするドイツの再生可能エネルギーについて、ご紹介しておきましょう。ドイツは、1998年から脱原子力の動きが始まり、2011年の東日本大震災を契機に、同国の脱原発政策が議会で可決され本格化しています。こうした事情から、同国では他国に先じて再エネの導入が急がれていました。

2000年に再エネ導入の促進を目的に「再生可能エネルギー法」が制定され、日本のFIT・FIP制度や再エネ賦課金、補助金、税制優遇なども、「ドイツの再生可能エネルギー法」が基盤になっているといわれます。同法はその他多くの国においても再エネ支援策のモデルともなっています。

ドイツの脱炭素の取り組みは、メルケル政権下において、2022年の完全原発廃止と2038年の脱石炭、さらに2030年に再エネで総電力の80%を賄い、1,500万台のEV導入といった高い目標が定められています。CO2排出量に関しては、2030年に65%削減率、2045年のカーボンニュートラルを目指しています。

ドイツの電源構成

出典:再生可能エネルギー45%のドイツ – 火力原子力発電技術協会

2022年度のドイツの再エネ比率は発電量で45%、消費電力比率で46%を記録しました。ブラジルの再エネ比率とほぼ同等です。2023年5月には太陽光発電の総出力が40GWを超える局面もあり、2035年には再エネ100%の実現も可能かもしれないとの声が上がっています。

参照:ドイツの脱炭素戦略 – 自然エネルギー財団

参照:Germany’s Solar Power Generation Hit Record High – BNN Bloomberg

世界最大の太陽光・風力発電

最後に、補足情報といたしまして、2023年時点で世界最大の太陽光発電と風力発電をご紹介しておきましょう。どれぐらい壮大なプロジェクトなのか、この機会に見ておいて下さい。

世界最大の太陽光:サウジアラビア・ソーラープロジェクト

サウジアラビアでは、2025年の稼働開始に向けて太陽光発電プロジェクトを建設中です。ローカルの電力会社であるACWAパワーとBadeel社にて2023年2月より建設が進められています。出資はサウジアラビア政府ファンド(PIF)で、同国の次世代に向けた「the state’s Vision 2030」の一環として行われます。設備容量は2,060MW(約2GW)となり、単体のプロジェクトではこの太陽光発電が世界最大規模となります。

参照:Saudi Arabia launches world’s largest solar-power plant – Economist

世界最大の風力:中国CTG・CSSCの巨大風力タービン

従来の大型風力発電の風車は15MWが最大でした。2023年1月に、中国の国営エネルギー会社CTGが新たに16MW級の風車を開発したと発表しています。今回の「モンスター風車」とも呼ばれる巨大ブレードの風力発電は、中国で製造が相次いでいるとのことです。同月に、中国民間企業のCSSC社も16MW、260メートルの風車の開発を進めています。

参照:中国の風力発電メーカー世界最大1基16MW – 一般社団法人環境金融研究機構

まとめ

https://pixabay.com/photos/water-travel-pier-sky-sunset-3191218/

最近では、脱炭素経営への社会的要請が次第に強まる中、いかに自社で実践すべきか頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。世界レベルで再生可能エネルギーを見ると、規模が大きすぎて現実味に欠ける感はありますが、どれほど巨大な電力が再エネで創出されているのか知るだけでも、意欲につながりますし結構楽しめます。とくに国政が関わり、数か国が提携して立ち上げるプロジェクトは壮大です。

おそらく、カーボンニュートラルのゴールに向けて、今後ますます興味深い再生可能エネルギーのプロジェクトが出現してくるでしょう。脱炭素へと励む日々において、時には息抜きもかねて、世界の最エネの動きを調べてみてはいかがでしょうか。世界は、本当に脱炭素に向かっているのだと納得する機会にもなるでしょう。なお、自社のCO2排出量について気になる方は、無料のタンソチェックツールにて簡単に調べることができます。ぜひ、お試し下さい。

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著者のプロフィール

Takasugi
Takasugi
太陽光発電・蓄電池等を専門とする住宅設備会社での勤務歴10年。再エネの専門知識からエネルギー系の株式投資と記事執筆を開始する。エネルギー専門の投資家兼ライターとして独立して7年。過去にNY、ロンドンの移住歴あり、国内・海外メディアを駆使した情報収集が強み。

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総編集長
福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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