IT導入補助金で業務効率大幅アップさせる活用法を解説します2023年12月最新版

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ITツールの導入に係る費用を最大3,000万円までサポートするのが、IT導入補助金です。業務の効率を向上させるには、業務をデジタル化したり人の手で行っている作業を自動化したりする必要があります。

今回の記事ではIT導入補助金の概要に加え、申請方法や効果的なツールの選定方法、活用事例を紹介します。本記事を通じて、補助金を活用して業務効率を向上させるには何をすべきなのかを理解しましょう。

目次

IT導入補助金とは?活用で業務効率アップ!

IT導入補助金には「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤推進枠」の3種類があり、それぞれ補助金額や補助率、対象者は異なります。概要については、以下の表を確認してください。

枠名型名概要
通常枠A類型業務の効率化・売上アップを図れるITツール導入を支援
B類型
セキュリティ対策推進枠特記事項なし不正アクセスなどから企業を守るサービスの利用に係る費用を支援
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型会計ソフトや受発注ソフト導入を支援
商流一括インボイス対応類型労働生産性の向上やインボイス制度への対応に必要なITツール導入を支援
複数社連携IT導入類型地域DXや生産性の向上を支援

参照:IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

2023年度の補助金額と対象者

2023年度におけるIT導入補助金の補助金額と対象者を以下の表にまとめています。

枠名型名対象者※1補助金額
通常枠A類型個人事業主・小規模事業者・中小企業者5万以上~150万円未満
B類型150万以上~450万円以下
セキュリティ対策推進枠特記事項なし5万以上~100万円以下
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型PC:タブレット等:10万以下レジ・券売機等:20万以下ITツール:350万円以下
商流一括インボイス対応類型個人事業主・小規模事業者・中小企業者・大企業350万円以下
複数社連携IT導入類型個人事業主・小規模事業者・中小企業者基盤導入経費※2・消費動向等分析経費※3:3,000万円以下その他経費※4:200万円以下

※1. 定義については、小規模事業者・中小企業者の表を確認

※2. 「会計・受発注・決済・EC」の機能を持つソフトウェア・オプション・役務・使用にい必要なハードウェアに係る費用

※3. 異業種間の連携や地域の人流分析・商取引等の面的なデジタル化に必要なソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアの係る費用

※4. 参画事業者のとりまとめに必要な事務費、専門家費

参照:

IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

小規模事業者

以下の条件を満たす事業者が小規模事業者です。

業種・組織形態常勤の従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

参照:IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

中小企業者

中小企業者とは、以下の表の資本金または常勤の従業員数のどちらかの条件を満たす事業者のことです。

業種・組織形態資本金(資本金の額または出資の総額)常勤の従業員数
製造業、建設業、運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円以下
小売業50人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円以下900人以下
ソフトウェア業又は情報処理サービス業300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
その他の業種(上記以外)3億円以下300人以下
その他の法人特記事項なし
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所100人以下
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体該当業種の従業員数以下
特別の法律によって設立された組合またはその連合会
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)

参照:IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

補助率が最大3/4まで!驚愕のサポート体制

IT導入補助金の補助率は、最大で4分の3です。各枠の補助率の詳細は、以下の表より確認してください。

枠名型名補助率
通常枠A類型2分の1以内
B類型
セキュリティ対策推進枠特記事項なし
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型2分の1以内:ハードウェア※3分の2以内:50万円以上~350万円以下のソフトウェア4分の3以内:50万円以下のソフトウェア
商流一括インボイス対応類型2分の1以内:中小企業・小規模事業者等以外の事業者等が申請する場合3分の2以内:中小企業・小規模事業者等が申請する場合
複数社連携IT導入類型3分の2以内:基盤導入経費・消費動向等分析経費・その他経費4分の3以内:基盤導入経費

※PC・タブレット・プリンター・スキャナ・複合機・POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機がハードウェアに該当

参照:

IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

補助金のスケジュールと申請方法

IT導入補助金の全体スケジュールを以下の表にまとめました。枠によっては、記載したスケジュール以降の予定も公表しています。詳しくは、こちらを確認してください。

枠名型名スケジュール
通常枠(第9次)A類型締切日:2023年12月25日 (月) 17:00交付決定日:2024年1月29日 (月) (予定)事業実施期間:交付決定~2024年7月31日 (水) 17:00事業実績報告期限:2024年7月31日 (水) 17:00
B類型
セキュリティ対策推進枠(第9次)特記事項なし
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型(第15次)
商流一括員インボイス対応類型(第6次)
複数社連携IT導入類型(第5次)締切日:2024年1月29日 (月) 17:00交付決定日:2024年3月14日 (木) (予定)事業実施期間:交付決定~2024年8月30日 (金) 17:00事業実績報告期限:2024年8月30日 (金) 17:00

参照:IT導入補助金2023 公募要領 通常枠(A・B類型) p.18

無駄なく申請するためのポイント

IT導入補助金を無駄なく申請するには、IT導入支援事業者のサポートが欠かせません。事業計画の策定や事業完了後の報告書の記載には、専門的な知識が求められるためです。サポートを受ける事業者だけで計画を進めてしまうと、計画に綻びや記載内容に誤りが生じる可能性があります。

計画を達成できなかった場合は、補助金の返還が求められる場合もあるため、連携を忘れずに事業を行うことが重要です。

参照:新規申請・手続きフロー(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き) | IT導入補助金2023(後期事務局)

事前準備でスムーズに申請を進めよう

IT導入補助金を申請には、事前準備が不可欠です。公募要領を読み、補助金に関する基礎知識を理解しましょう。その後は、gBizIDプライムアカウントの取得とSECURITY ACTIONの実施が必要です。

gBizIDプライムアカウントは補助金申請の手続きに必要で、公式ホームページから取得可能です。SECURITY ACTIONとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する制度で、情報セキュリティ対策の自己宣言が求められます。

中小企業庁が提供するデジタル診断ツール「みらデジ経営チェック」で、経営課題とデジタル化の進捗状況を評価することも必要です。チェックにより、どのようなITツールが自社に適しているかを判断できます。

必要なITツール内容を把握した後は、IT導入支援事業者とITツールを選定しましょう。みらデジ経営チェックの内容に加え、自社の業種や事業規模、経営課題を考慮し、ふさわしいITツールの選定が求められます。

参照:新規申請・手続きフロー(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き) | IT導入補助金2023(後期事務局)

補助対象のITツール・システム一覧

IT導入補助金の対象となるITツール・システムの詳細を以下の表にまとめています。

枠名型名対象要件
通常枠A類型顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収管理供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システムその他業務固有のプロセス汎用・自動化・分析ツール
A類型:上記プロセスを1種類以上含むソフトウェア※1B類型:上記プロセスを4種類以上含むソフトウェア
B類型
セキュリティ対策推進枠特記事項なし独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたツール・サービス
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型会計・受発注・決済・ECの機能を有するソフトウェア
商流一括員インボイス対応類型インボイス制度に対応した特定の受発注ソフトウェア※2
複数社連携IT導入類型会計・受発注・決済・EC機能を持つソフトウェアソフトウェアの利用に必要なハードウェア異業種間の連携や地域の人流分析・商取引等のデジタル化に貢献するソフトウェア・ハードウェア

※1. A類型の場合、汎用・自動化・分析ツール単体のソフトウェアは使用不可

※2. 発注者が受注者へ無償でアカウント提供ができる機能を持つクラウド型のソフトウェアであること

参照:

通常枠(A・B類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

セキュリティ対策推進枠 | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

効果的なITツールの選び方

前提として、ITツールは事務局に登録されているツールの中から選ばなければなりませんので注意しましょう。そのうえで、自社の労働生産性向上と業務効率化に直結するITツール選択が重要です。

まずは自社の現状を把握し、どの業務プロセスが最も効率化の余地があるかを検討しましょう。例えば手作業や反復作業、データ管理を自動化することで業務の効率化が期待できます。クラウドサービスの利用料やサポート費用も補助対象になるため、全体的なコスト効率も考慮するとよりよいツールを選べます。

通常枠

T導入補助金の通常枠では、ITツール導入後の成果に注意を払う必要があります。導入1年後に少なくとも3%、3年後には9%以上の労働生産性の伸び率の向上を目標としなければなりません。したがって導入を検討しているITツールは、確実に目標を達成できるかどうかを見極めることが重要です。

また、賃金の引き上げが可能かどうかも考慮すべきです。具体的には給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させることや、事業場内最低賃金を地域別最低賃金プラス30円以上にすることなどが含まれます。

通常枠において効果的なITツールやシステムを選ぶためには、賃金の引き上げ・生産性向上における目標達成の可能性も視野に入れる必要があるのです。

参照:IT導入補助金2023 公募要領 通常枠 (A・B 類型)p.7~9

2023年12月時点で通常枠で利用できるITツール・システムは、合計で4,799件あります。一部を以下の表にまとめました。表に記載していないITツール・システムは、こちらから確認可能です。

会社名(コンソーシアム名)本店所在地ITツールのプロセス
株式会社JOC東京都目黒区決済・債権債務・資金回収会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
株式会社コプロ愛知県名古屋市北区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス業種固有プロセス汎用・自動化・分析ツール
株式会社コンプケア新潟県三条市顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収会計・財務・経営業種固有プロセス
株式会社ビズ・クリエイション岡山県岡山市北区顧客対応・販売支援
中央ビジコム株式会社(中央ビジコム株式会社コンソーシアム)東京都台東区業種固有プロセス
株式会社マクロス東京都立川市
ベストプランナー合同会社埼玉県さいたま市岩槻区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス業種固有プロセス汎用・自動化・分析ツール
株式会社アイシーエスシステム研究所大阪府大阪市中央区決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流
東和ハイテック株式会社愛知県名古屋市中村区決済・債権債務・資金回収業種固有プロセス
株式会社AFC研究所(検査DXコンソーシアム)東京都新宿区業種固有プロセス

参照:検索結果 | IT導入補助金2023(後期事務局)

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠では、サイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されているサービスやツールを選ぶ必要があります。事業計画の策定時は、選択したITツールがどのようにサイバーセキュリティ対策を強化するのかを示さなければなりません。明確な目的や意図を持って、ツールを選ぶことが重要です。

サイバーセキュリティ対策の効果に加えて、労働生産性の伸び率の向上も考慮する必要があります。3年後、少なくとも3%以上の生産性の向上が求められているためです。単にセキュリティを強化するだけでなく、生産性向上にも寄与するツールを選ぶことが重要だと言えるでしょう。

参照:IT導入補助金2023 公募要領 セキュリティ対策推進枠 p.5~6, 8

2023年12月時点でセキュリティ対策推進枠で利用可能なITツール・システム75件のうち、10件を以下の表に記載しています。

会社名(コンソーシアム名)本店所在地ITツールのプロセス
ベストプランナー合同会社埼玉県さいたま市岩槻区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス業種固有プロセス汎用・自動化・分析ツール
株式会社大塚商会東京都千代田区
ラディックス株式会社東京都千代田区
ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社(中小企業支援コンソーシアム)東京都渋谷区
富士フイルムBI山形株式会社山形県山形市
OKKO株式会社東京都杉並区
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社(富士フイルムビジネスイノベーションジャパンコンソーシアム)東京都江東区
合同会社しくみづくり研究所東京都港区
株式会社アドミン長崎県長崎市
株式会社YSKe-com山梨県甲府市顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス

参照:検索結果 | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠

デジタル化基盤導入枠では、新型コロナウイルスの渦中でも生産性の向上と企業間取引のデジタル化を推進できるITツールを選ぶことが重要です。

対象となるITツールは会計や受発注、決済、ECなどの機能を備えたソフトウェア、関連するオプション、役務、ハードウェアなどです。ハードウェアに関しては、以下が対象となります。

  • PC
  • タブレット
  • プリンター
  • スキャナー
  • 複合機
  • POSレジ・モバイルPOSレジ
  • 券売機

デジタル化基盤導入枠のITツールを選択する際は、自社のニーズと補助金の要件を照らし合わせ、生産性向上やインボイス制度対応などの目的を達成できるものを選びましょう。

2023年12月時点でデジタル化基盤導入枠で活用できるITツール・システムは、合計で1,439件です。詳細は、こちらから確認してください。

会社名(コンソーシアム名)本店所在地ITツールのプロセス
株式会社コプロ愛知県名古屋市北区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス業種固有プロセス汎用・自動化・分析ツール
ベストプランナー合同会社埼玉県さいたま市岩槻区
株式会社モアコンセプト熊本県熊本市北区
東和ハイテック株式会社愛知県名古屋市中村区決済・債権債務・資金回収業種固有プロセス決済関連ソフトウェア
株式会社フォウカス東京都新宿区
中央ビジコム株式会社(中央ビジコム株式会社コンソーシアム)東京都台東区業種固有プロセス
株式会社ユニケソフトウェアリサーチ東京都港区決済・債権債務・資金回収供給・在庫・物流業種固有プロセス
株式会社アンソネット福岡県福岡市南区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収会計・財務・経営総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス業種固有プロセス汎用・自動化・分析ツール
株式会社オブセッシブ兵庫県神戸市中央区顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収
有限会社太陽タック兵庫県西宮市顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収業種固有プロセス

参照:検索結果 | IT導入補助金2023(後期事務局)

セキュリティも重視した対策ツール

IT導入補助金を活用してITツールやシステムを導入する際、セキュリティを重視することは非常に重要です。セキュリティが強化されたITツールを選ぶことにより、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクを減らせます。

サイバー攻撃を受け、顧客や従業員の個人情報が外部へ漏洩をさせた場合、世間からの信頼は失墜するでしょう。失った信頼を取り戻すには、労力と時間がかかります。リスクを避けるためにも、高いセキュリティを持つITツールやシステムを選ぶべきです。

IT導入補助金活用事例で学ぶ

現在までに多数の企業がIT導入補助金を活用し、事業の発展を成功させました。事例を通じて、どのようにIT導入補助金を活用できるのかを確認しましょう。

中小企業・小規模事業者の活用実績

各枠や型における企業の活用事例を4つ紹介します。

通常枠(A類型):株式会社ズイカインターナショナル

株式会社ズイカインターナショナルは、長野県でホテルを運営している企業です。IT導入補助金通常枠のA類型を利用して、クラウド型のホテル管理システムを導入しました。システム導入の目的は、遠隔地からでもリアルタイムで空室管理やデータ分析を可能にすることです。

以前は自社で運用や管理を行うオンプレミス型のホテル管理システムを使用しており、ホテル外での空室状況の確認ができない状況でした。そのため、事あるごとに東京都内に拠点を置く管理部門や営業部門が現地スタッフに連絡を取り合う必要があったのです。また、システムが大手宿泊施設向けで、自社の規模に合わせたカスタマイズも困難でした。

課題解決のため、同社は「陣屋コネクト」というクラウド型の旅館・ホテル管理システムを導入しました。業務改善の事例が豊富でわかりやすく、導入に際してのサポート体制も整っていたことが導入の決め手となったようです。

導入した結果、以下の成果を挙げました。

  • ランニングコストの削減
  • コロナ禍前よりも売上のアップ
  • リアルタイムでの情報把握
  • 旅行代理店へのスムーズな商品提案

株式会社ズイカインターナショナルはクラウド化を推進し、リモートワークが可能な仕事を増やすことで、優秀な人材の確保と事業拡大を目指していく予定です。ITツールやシステムを実際に利用することで、同社は新しい事業の可能性に気づけたのです。

参照:株式会社ズイカインターナショナル/IT導入補助金2020活用事例

通常枠(B類型):株式会社宝寿園

株式会社宝寿園は、東京都新宿区で食品製造・販売業と飲食業を営む企業です。宝寿園はIT導入補助金の通常枠B類型を利用し、販売管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手しました。DXとはデジタル技術を利用して、人々の生活の質を高めようとする取り組みのことです。

参照:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは? 基礎から意味が丸わかり | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま

主力商品「野草十八茶 宝寿茶」の販売管理において、受注処理の遅延やデータ容量の増大によるシステムの動作遅延といった問題に直面していました。問題解決に向けて、宝寿園は富士フィルムビジネスイノベーションジャパンコンソーシアムの支援を受け、販売管理システム「PCA商魂DX」と指定伝票発行システム「伝助」を導入しました。

宝寿園の独自の要望に合わせたカスタマイズが可能で、定期購入の自動化が実現できる点が導入を決めた理由です。

ITツールを導入したところ、以下6つの成果を得られました。

  • 電話注文時における顧客の待ち時間の減少
  • 顧客データ管理の簡略化
  • 商品間違い・クレームの減少
  • 12時間かかっていた伝票発行業務を2時間に短縮
  • リアルタイムでの受注数・売上データの視覚化
  • 昨年比で顧客数2割、売上1割の増加

宝寿園は労務管理や経理においてもDX化を図り、販売管理システムと連携させる予定です。海外展開も視野に入れ、さらなる販路拡大を目指しています。宝寿園の事例は、DX化を実現するためのIT導入補助金の有効活用したモデルとして参考になるでしょう。

参照:株式会社宝寿園/IT導入補助金2021活用事例

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型):株式会社ラークコーポレーション

株式会社ラークコーポレーションは鳥取県にある天然温泉旅館を経営する企業です。IT導入補助金のデジタル化基盤導入枠を活用し、会計と給与計算システムの連携を実現しました。

取り組みの背景には新規ホテル開業に伴う業務量の増加と、業務効率化の必要性がありました。従来は異なる会社のシステムを使用していたため、仕訳データの連携が行えず、業務がうまく連動できなかったのです。

導入したITツールは、中堅企業向けクラウド会計システム「FX4クラウド」と給与計算システム「PX2」です。システムは部門別で業績管理する機能や銀行信販データの受信機能を備えており、給与計算に関しても所得税や社会保険、労働法に準拠しています。

システムの導入により、会計と給与計算の業務が大幅に効率化されました。金融機関からの取引データを自動受信することで仕訳が容易になり、複数のスタッフが伝票入力を行えるようになったことで業務時間が短縮されました。

また、顧問税理士事務所の指導のもと、システムへの移行もスムーズに行えました。その結果、リアルタイムで業績把握が可能になり、経営判断を迅速に行えるようになったのです。

ITツール導入をすることで業務をデジタル化し、生産性を向上させられることが株式会社ラークコーポレーションの事例から理解できます。

参照:ITツールで生産性向上事例 株式会社ラークコーポレーション

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型):亀岡商業協同組合

亀岡商業協同組合は、IT導入補助金のデジタル化基盤導入枠を活用し、20の事業者と共に「かめPay」の導入を進めました。取り組みの目的は、地域のデジタル化と効率的な決済方法の導入です。

かめPayは地域の電子通貨として機能し、従来のポイント事業も統合しました。地域住民に便利なサービスを提供することで地域経済の活性化を図り、地域全体の消費流通額の増加を目指しています。

亀岡商業協同組合は全国的なキャッシュレス決済の導入増加を背景に、亀岡商工会議所と議論を重ね、独自の電子地域通貨の導入を決定しました。大手決済サービスでは得られない顧客情報の獲得や、加盟店自身によるポイント還元などの施策が自由に実施できることが強みです。

導入するシステムの選定においては、過去にポイント事業のシステム移行で経験した課題を踏まえ、株式会社シンプライズに依頼しました。シンプライズは、利便性の高い電子地域通貨サービスを提供しています。サービスを活用すれば、地域住民に対してより良いものを提供できると亀岡商業協同組合は判断したのです。

申請の手続きでは、参画事業者からの書類収集に時間がかかったと報告しています。複数社の個人情報を管理するため、取り扱いには細心の注意を払う必要があったとも話しています。

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)の活用を考えている場合は、書類収集に要する時間や個人情報の管理に注意しましょう。

参照:デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)について| IT導入補助金2023

ITベンダー・サービス事業者の対応力

IT導入支援事業者は中小企業や小規模事業者がITツールを導入し、生産性を向上させる事業パートナーです。補助事業の実施に必要な各種申請や手続きをサポートを提供します。

提案・導入・アフターサポート

ITベンダー・サービス事業者は、中小企業・小規模事業者に対して、最適なITツールの提案や導入後の運用方法に関する支援を行います。また、補助金の交付申請や実績報告においてもサポートします。専門的な知識が必要な場合もあるため、疑問点は積極的に相談すると良いでしょう。

問い合わせ対応

ITベンダー・サービス事業者は、事業者からの事業計画や交付申請に関する問い合わせに対応します。ITツールに関する見積もりの依頼や相談にも対応しているため、必要に応じてお問い合わせください。

事業計画作成サポート

事業計画の作成、特に申請マイページの利用、ITツール情報の入力などのサポートを行います。事業を適切に実施できるようにルールや適切な行動を共有するため、事業者は安心して取り組むことが可能です。

報告書の作成支援

ITツールの導入後は実績報告の作成を支援し、報告書の提出期限内に完成させるよう指導します。また、必要な証憑を保管し、提出できるように呼びかけを行います。

実施効果報告書の作成に際しても情報収集や集計、必要書類の取りまとめなど、全面的に協力するため、問題なく提出できるでしょう。ITツール導入後であっても、事業者への継続的なサポートを提供し、生産性向上や事業目的の達成を支援します。

IT導入支援事業者は、中小企業・小規模事業者に対して多岐にわたるサポートする強力なパートナーです。ITツールや補助金に関して何か困りごとがある場合は、積極的に相談すると良いでしょう。

参照:IT導入補助金2023 IT導入支援事業者 登録要領 通常枠(A・B類型) セキュリティ対策推進枠 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) 共通 p.6~10

注意喚起: 悪質な事業者に騙されない!

IT導入補助金は、事務局の認定を受けた「IT導入支援事業者」からITツールやシステムを導入することを義務付けています。相談や見積もりの前に、事業者が事務局の認定を受けているかどうかを必ず確認しましょう。

登録事業者の確認方法

IT導入支援事業者は、こちらのPDFにすべて掲載されています。ITツール・システムの導入を依頼する前に、企業名がPDFに載っているかどうかを確認してください。未登録の事業者によるITツール・システムの導入は補助金交付の対象外となるため、事前確認が重要です。

よくある質問

IT導入補助金に関して、よくある3つの質問に回答します。

IT補助金2023年はいつから申請できますか?

2023年の上半期は、3月20日(月)から7月10日(月)17:00まで申請できました。直近だと、2023年12月25日 (月) 17:00まで申請を受け付けています。デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)のみ、直近の締切日時が2024年1月29日 (月) 17:00となっています。

次回以降のスケジュールに関しては、こちらから確認してください。

IT補助金2023年度の金額は?

IT導入補助金では、枠や型ごとに異なる金額が設定されています。詳細は、以下の表のとおりです。

枠名型名補助金額
通常枠A類型5万以上~150万円未満
B類型150万以上~450万円以下
セキュリティ対策推進枠特記事項なし5万以上~100万円以下
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型PC:タブレット等:10万以下レジ・券売機等:20万以下ITツール:350万円以下
商流一括インボイス対応類型350万円以下
複数社連携IT導入類型基盤導入経費※1・消費動向等分析経費※2:3,000万円以下その他経費※3:200万円以下

※1. 「会計・受発注・決済・EC」の機能を持つソフトウェア・オプション・役務・使用にい必要なハードウェアに係る費用

※2. 異業種間の連携や地域の人流分析・商取引等の面的なデジタル化に必要なソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアの係る費用

※3. 参画事業者のとりまとめに必要な事務費、専門家費

参照:

IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

IT導入補助金2023年度の補助率は?

IT導入補助金の補助率は枠や型によって異なりますが、4分の3以内に設定されています。

枠名型名補助率
通常枠A類型2分の1以内
B類型
セキュリティ対策推進枠特記事項なし
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型2分の1以内:ハードウェア※3分の2以内:50万円以上~350万円以下のソフトウェア4分の3以内:50万円以下のソフトウェア
商流一括インボイス対応類型2分の1以内:中小企業・小規模事業者等以外の事業者等が申請する場合3分の2以内:中小企業・小規模事業者等が申請する場合
複数社連携IT導入類型3分の2以内:基盤導入経費※1・消費動向等分析経費※2・その他経費※34分の3以内:基盤導入経費

※1. 「会計・受発注・決済・EC」の機能を持つソフトウェア・オプション・役務・使用にい必要なハードウェアに係る費用

※2. 異業種間の連携や地域の人流分析・商取引等の面的なデジタル化に必要なソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアの係る費用

※3. 参画事業者のとりまとめに必要な事務費、専門家費

参照:

IT導入補助金とは | IT導入補助金2023(後期事務局)

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | IT導入補助金2023(後期事務局)

まとめ

IT導入補助金はさまざまな事業者のニーズに応えるため、多岐にわたるITツールを準備しています。どのようなツールが自社に必要なのかわからない場合も、IT導入支援事業者が親身になって相談に応じるため、最適なツールを選ぶことが可能です。

効果的な活用方法として、以下が挙げられます。

  • 管理システムを導入し、人為的ミスの削減や販売数の視覚化、データ分析の効率化を実現する
  • 会計システムの導入を通じて、給与計算やインボイス制度への対応を容易にする

ITツールを導入し業務を効率化したことにより、新しい事業の展開方法が見えてくる可能性もあります。「何だか難しそうだから」と尻込みせず、直面している課題を解決できるITツールはないかを調べてみましょう。

関連記事:【2023年】令和5年CO2削減・脱炭素の補助金一覧を紹介

IT導入補助金に関する重要用語

項目説明
IT導入支援事業者中小企業や小規模事業者に対して、ITツールの選定や申請、報告など事業全般をサポートする事業者のこと
コンソーシアムIT導入支援事業者の1種で、幹事社1社と複数の構成員が所属
ハードウェアPC・タブレット・プリンター・スキャナ・複合機・POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機のこと

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総編集長
福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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