再生可能エネルギー 太陽光の仕組み、メリットデメリット

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太陽光発電は、再生可能エネルギーを代表する自然エネルギーです。数ある再生可能エネルギーの中では、比較的に取り組みやすいため、日本でも普及が進んでいます。

近年では、普及に相まって、太陽光発電の導入コストも低下傾向にあり、ホームセンターや家電店でも気軽に導入できるようになってきました。脱炭素経営が気になる中、どうやって導入するのか、どれくらいのコストがかかるのか、疑問に思うことも多いでしょう。

当記事では、再生可能エネルギーを代表する太陽光について、その仕組みや導入する流れメリットデメリットについて図解入りでわかりやすく解説していきます。どうぞ、今後の参考にご一読下さい。

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再生可能エネルギー 太陽光の仕組み

https://pixabay.com/photos/sun-sunbeams-heaven-clouds-light-1651316/

太陽光は、自然環境から容易に入手できる安全性が高い再生可能エネルギー(以下:再エネ)です。CO2を一切排出せず、ほぼ永続的に利用できるエネルギーでもあります。東日本大震災以降の電力供給のひっ迫から、日本では導入が進み、ここ数年における、世界的な脱炭素への動きからも、企業の太陽光発電の導入がこれまでになく意識されてきています。

ここにきて、改めて太陽光発電とはどのような発電方法なのか、どれくらいのコストがかかるのか調べ始める方も多いようです。まずは、太陽光の仕組みや導入コストなどの基礎知識から見ていきます。

太陽光で電気をつくる仕組み

太陽光で電気をつくる仕組みは、太陽の光が太陽光パネル(太陽光電池/半導体)に集積し、電気を作り出す仕掛けになっています。すでにご存じの方も多いように、薄い銀色のガラス系のパネルのことを太陽光パネル、太陽光電池と呼びます。このパネルを構成するn型とp型の半導体に光があたると、電子が動いてエネルギーを創出するのです。

太陽光パネルで電気ができるイメージ
出典:太陽電池の原理 – 産総研

パネルに光が当たっている限りは、電気を作り続けることが可能で、パネルで創出された電気を消費電力として使ったり、送電・売電したりすることができるわけです。パネルで創られる電気は直流であるため、パワーコンディショナーという機器を介して、交流電力に変換し、一般の電線を通して使えるようになります。

参照:太陽電池の原理 – 産総研

太陽光の電気はどう使う?

太陽光発電の電力は、「消費電力として使う」「FIT制度で売電する」「FIP・新電力に売電する」と大きく3つの活用方法があります。

  1. 消費電力として使う → 電気代が節約できる
  2. FIT制度で売電する → 電力会社に固定価格で買い取ってもらえる
  3. FIP・新電力に売電する → 市場売買価格で買い取ってもらう

以前は売電を目的に設置が検討されていましたが、買取金額の低下に伴い、消費電力や緊急用としての活用が拡大しています。

参照:FIT買取価格・期間等 – 資源エネルギー庁

参照:FIP制度が2022年4月スタート – 資源エネルギー庁

太陽光パネルの設置方法

太陽光パネルを設置する方法は、それぞれの用途や立地環境、建物に応じて様々な方法があります。最も一般的なのが建物の屋根に載せる方法で、他にも、駐車場、窓や壁、ベランダ、遊休地など設置可能です。

  • 建物の屋根・屋上
  • 駐車場・倉庫の屋根
  • ベランダ、壁面、窓
  • 敷地内のスペース・遊休地
  • 畑、山の斜面、水面、海上

など、最近では、太陽光パネル開発も目覚ましく進展しており、あらゆるスペースに太陽光パネルが設置できます。

駐車場の太陽光パネル(ソーラーカーポート)

駐車場の有効活用として、2,3台分のスペースでも太陽光パネルを設置すれば、電力を創ることができます。EVの充電用としての活用も可能です。

壁面の太陽光パネル

屋根に載せれなかったり、建物の向きなどによっては、壁面にパネルをつけた方がよいケースもあります。上図は透明のパネルですが、通常のパネルを垂直に並べて設置できます。

窓に貼れる透明太陽光パネル

シースルー型の透明太陽光パネルを窓ガラスのように使うことも可能です。ZEB(ネット・ゼロエネルギービル)を目指す商業施設などで注目されています。

関連記事はこちらから:CO2削減における企業の取り組み事例とは?

太陽光パネルを設置する流れ

太陽光パネルを設置する流れは以下のとおりです。

  1. 太陽光発電に関する情報を収集(種類やコスト、業者など)
  2. 概ねの予算、設置場所を決める
  3. 複数の業者に問い合わせ、シュミレーションを依頼
  4. パネル、発電量、売電量、CO2削減量、初期費用などを比較検討
  5. 利用したい太陽光発電プランを選定・契約
  6. 工事日を決める
  7. 工事完了にて太陽光発電の稼働開始

設置するまでの流れの中で、最も重要なことは、どの業者を利用するかということです。業者によって、提供できる太陽光パネルや料金プランが異なるだけでなく、太陽光発電に関する知識や実績も大きく変わってきます。

太陽光発電で選ぶ業者は、10年~20年と長期に渡って信頼して任せられるかどうかがポイントです。問い合わせやシュミレーションをしながら、複数業者を比較することが大切です。合わせて、補助金や税制優遇への申請などもサポートしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

関連記事はこちら:第4章 補助金・税制・クレジットを味方にする

太陽光発電の導入コスト

また、導入においてさらに重要なポイントとなるのが、導入コストです。東京電力の調査によると、2022年の時点で太陽光発電にかかる費用相場は、新築の場合で以下の通りです。

パネル1kWあたりの費用
  • 太陽光パネル 14.5万円
  • パワーコンディショナー 4.2万円
  • 架台 2.1万円
  • その他設備 0.2万円
  • 工事費 7.1万円  
1kwあたりの費用28万円(26.1万円)の内訳

太陽光パネルや施工方法、業者によっても料金は異なりますので、あくまでも概ねの参考にして下さい。太陽光発電は、かつては導入コストが高額だったこともあり、一部の法人・企業によって導入されていたイメージがあります。しかし、最近では海外メーカーの進出や普及率の拡大などから価格は年々低下してきています。

また、リースを組んだり、PPAと呼ばれる第三社所有モデル事業の活用でコストを抑える方法もありますので、合わせて検討してみて下さい。

参照:【2023年】太陽光発電の設置費用の相場 – 東京電力エナジーパートナー

参照:令和3年度以降の調達価格等に関する意見 – 経済産業省・調達価格委員会

太陽光発電のメリット

https://pixabay.com/photos/light-bulbs-ideas-inspiration-1875384/

脱炭素経営の一環として、太陽光発電が検討されていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここで、太陽光発電を設置した場合のメリットについてまとめていきたいと思います。

電力の自給自足で光熱費削減

太陽光発電の最大のメリットとは、消費電力の一部または全部を自給自足で賄っていける点にあります。各自で、小規模の発電所を運営するイメージです。設備に費用はかかるものの、太陽の光を得るのは無料で、ほぼ無尽蔵に入手できるリソースでもあります。初期費用回収後は、光熱費大幅削減にて売り上げ向上につなげることが可能です。

性能はコスト低下に反比例して向上している

トップ太陽光パネルの発電効率
出典:Champion Module Efficincies – NREL

もう1つのメリットは、パネルの価格は低下しているのに反比例して、性能は良くなっていることです。NREL(米国エネルギー研究所)のリサーチでは、世界トップメーカーの発電効率の推移がまとめてあり、18.6~25.1%を記録するメーカーが多いことがわかります。日本のメーカーではToshiba、Panasonic、Kaneka、Sharpがランクインしています。

Perovskite Solar Cells(ペロブスカイト太陽光セル)
出典:Perovskite Solar Cells – US Department of Energy

コスト対効果が高い運用が期待できるのです。発電効率(変換効率)、最大出力の向上、ともに軽量化、最小化による扱いやすさ、さらにパフォーマンス性・耐久性に優れたパネルを探すことができます。最近注目されているのが、薄いシリコンタイプのペロブスカイト太陽光パネルで、数年間の発電効率は劇的に向上しています。

参照:Champion Module Efficincies – NREL

参照:Perovskite Solar Cells – US Department of Energy

補助金・税制優遇が適用できる

また、太陽光発電などの省エネ・再エネ機器の導入においては、国・自治体の補助金が支給されたり、税制優遇が受けれたりで、結果的に導入コストが抑えていけます。せっかくなら、脱炭素への取り組みを支援する体制が充実している時期に導入したいものです。

参照:令和5年度予算及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧 – 環境省

参照:カーボンニュートラルに向けた投資促進税制 – 経済産業省

脱炭素の要請に応えられる

そして、太陽光発電を導入することで、社会の脱炭素要請に応えられる点もメリットです。脱炭素への意識が世界的に高まる中、再エネでリードする大手・中堅企業の多くが、サプライチェーンを巻き込んだCO2削減を目指しています。太陽光発電の実績が、取引先・顧客へのアピール要素と成り得ます。自社の信頼性・ブランド性の向上につながるのです。

CO2削減を実現することは、ひいてはパリ協定のゴール「地球の気温上昇率を抑える」ための国際的枠組みの一役を担い、環境保全に貢献していけます。

参照:サプライチェーンを意識して脱炭素化対応を – JETRO

太陽光発電のデメリット

https://pixabay.com/photos/wallet-coins-money-euro-1359848/

太陽光発電には多くのメリットがある一方、リスクやデメリットが生じる可能性も知っておく必要があります。それでは最後に、太陽光発電のデメリットを確認していきます。

天候・日照時間に左右される

太陽光発電は、日照時間の長さ、太陽光の強さに発電量が大きく左右されてしまいます。近年では、曇りの日でも発電できる太陽光パネルの開発が進んではいるものの、日照の有無は重要な要素です。地域の天候などの地理的要因、日照の条件次第では、十分な発電量が得られないこともあるのです。

元がとれない可能性

太陽光発電は、浮いた光熱費から設備費用を払っていくのが一般的です。十分に発電できない場合は、削減できる光熱費も少なくなり、必然的に支払いを満たすことができません。初期費用の回収に時間がかかりすぎたり、元が取れないリスクがあるのです。

環境破壊につながることも

太陽光発電でCO2が削減できるのは事実ですが、太陽光発電を製造する時点で大量のCO2が発生している可能性があります。CO2削減に念頭を置くならば、メーカーの脱炭素への取り組みも確認しておく必要があります。また、太陽光パネルの設置が、森林伐採などで生態系のバランスを崩し、環境破壊をもたらすかもしれないことを考慮した計画が欠かせないのです。

関連記事はこちらから:企業のCO2削減方法とは?日本・世界の取り組みも解説

まとめ

https://pixabay.com/photos/architecture-solar-solar-panels-3379146/

太陽光発電は脱炭素経営においても、定番となる再エネ導入方法ですが、日照時間に左右されるためすべての企業にとって有利な方法だとはいえません。そこで、慎重に見極めていきたいのが、太陽光の発電量と導入コストのバランスです。日照時間が豊富で、もし早期での回収が期待できるようであれば、残りの年数で太陽光の恩恵をフル活用していけます。

日照が期待できないようであれば、太陽光にこだわらないことも選択肢の1つです。再エネ由来の電力プランへ変更したり、クレジットを購入したり、ガソリン車の使用を停止したりと他の方法を考えることができます。

いくつかある選択肢の中から、無理のない、かつ経済効果が高い方法を選ぶことが肝心です。なお、自社のCO2排出量が気になる方は、無料のタンソチェックツールにて簡単に調べることができます。戸惑いがちな再エネ導入への1歩として、ぜひご活用下さい。

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著者のプロフィール

Takasugi
Takasugi
太陽光発電・蓄電池等を専門とする住宅設備会社での勤務歴10年。再エネの専門知識からエネルギー系の株式投資と記事執筆を開始する。エネルギー専門の投資家兼ライターとして独立して7年。過去にNY、ロンドンの移住歴あり、国内・海外メディアを駆使した情報収集が強み。

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総編集長
福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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